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Wimp!
 ...ライカレ
The truth deleted
  ...ルルライ ルルーシュ追悼
いめちぇん
  ...ルルライ
サクラ舞散ル。
  ...ナナライ
人知れず。
  ...ルル(ゼロ)ライ+(or←)C.C.
それとも、アナタという存在も嘘なのですか。
  ...ライシャリ?












告白。葛藤。
ライNot騎士団。








――お兄ちゃん、私、好きな人ができました。

――最初は学園に迷い込んだ、ただのブリタニア人だと思っていたんだ。

――記憶喪失のせいか、みんなと距離をおいて、いつも無表情で、愛想のない人だと思っていました。

――でも日々が過ぎていくなか、言葉数も増え表情も自然に記すようになってから。

――私と同じで、ブリタニア人と日本人のハーフだと知って――……彼を、とても身近に感じるようになりました。





「カレン」
「!」

彼を目で追っていたら、自然と目を向けて、名を呼んだ。内心慌ててしまう私。

「な、なにかしら?」
「今日、調子は大丈夫か? 悪いなら無理はせずに僕に言ってくれ」

いつもそうやって気を使ってくれるのが嬉しいような、恥ずかしいようなで。

「うん。大丈夫」

思わず視線を下げてしまう。彼の綺麗な顔を見つめたいのに。

「あ、…ライ…!」
「どうかした?」

勇気を出して、顔を視線を再び交わす。青い瞳は優しく私を映してて、言葉が詰まりそうになる。

「…そのっ…今日サンドイッチ、作ってきたの。これから中庭で一緒に食べない…?」
「本当に?もちろん是非」

瞳が細められて、口元に微笑。自然と胸が高鳴る。




「少し、意外だな」
「え?」

中庭の人目が気にならない場所にランチョンマットを敷いて、二人で腰を下ろしていた。青空の下、飲み物で持ってきた紅茶の匂いも広がっていく。風も心地よい空模様だった。

「いやシュタットフェルト家の一人娘が、料理をするなんて」
「……」

突然のその言葉に、少しだけ胸が痛んだ。シュタットフェルト…そう、私はこの学園では『シュタットフェルトの御令嬢』なのだ。

「あ、すまない…!」

私の表情が曇ったのを受けて、彼が慌てている。

「無神経なことを…本当にすまない」
「ううん」

彼の表情も曇らせてしまって、その罪悪感のほうが私にはツラく。いつもみたいに気丈に振る舞うようなつもりで、すまし笑いをしてみた。

「やっぱりおかしいかしら、こんなお嬢様?」
「そんなことはない!家庭的で素敵だと思う」

嘘ではないと言いたそうな堅実な物腰と声色にさえ、私の心臓は大きく跳ねた。仕草の一つ一つが、私を魅了してならない。

「そういう人のほうがライは、好き?」

思わず、聞いてしまった。本当の、素の私は料理なんて滅多にしないから。ガサツだし、とてもじゃないが女らしい、とは言い難い。
その質問に彼は一瞬ポカンとして、それから徐々に柔らかく微笑を携えていく。

「カレンだから、好きかな」
「っ」

顔から火が上がりそうなほど熱くなるのが分かった――誤魔化すようにサンドイッチを手にとって咀嚼する。視線の端に彼の笑顔を映っていた。

「カレンは本当に可愛い」
「!」

あえなくサンドイッチを吹き出しそうになる。その言葉は、彼の声のまま頭の中で止まる所を知らず反響し、流れてく。

「も、もう!冗談やめて、誰にでもそう言ってるんじゃないのっ」
「冗談なんて…君だからこその、本心だよ」

さきの人懐っこそうな笑顔とは真逆の――真剣で、熱帯びた眼差し。息が詰まって、クラクラする。

「…カレン、僕は君のことが好きだ。愛している」
「――!」

直球な告白。彼が少し視線を外して、頬を赤らめた。

「こんな得体の知れない僕が、君を好きになるなんて間違っているかもしれない…でも、この気持ちに嘘も偽りもない」

私も、いつの間にか貴方が好きになっていた。
分かってた。気がついてた。ああ、でも――。

「貴方は『カレン・シュタットフェルト』が好きなんだわ…」
「え?」
「わ、私が…『カレン・シュタットフェルト』だから好きなのよ!」

貴方が好きと言ってくれたことが、嬉しい。涙がこぼれそうなほど、嬉しくてたまらない。でも、でも…!

「家柄なんて関係ない…!」
「違うの!…貴方は…『カレン・シュタットフェルト』しか、知らないから…」

学園で偽りの『カレン』を演じる私しか見ていない、知らない彼はきっと、『紅月カレン』に幻滅するわ。
黒の騎士団の、日本人の『カレン』に。

彼は困惑した、揺らいでいる瞳で私を見ていた。
ごめんなさい、ライ……詳しく説明できる意気地も虚勢も、私にはない。

そんな彼が、私の手を握った。温かくて大きな手に包まれて、酷く残酷な心境に苛まれる。


「自身すらわかっていない僕だ。確かに君のことを何も知っちゃいないのかもしれない」
「……」

違うの、ライ。私が見せていないの、隠しているの。
貴方が、そう自分を責める道理なんて本当はないのよ。

「でも、これから知っていきたいよ。君を」
「――――」
「『カレン・シュタットフェルト』じゃない…君のいう『カレン』を知って、受け入れていきたい」
「――そ、んな…」

思いがけない言葉たち。魔法のようだ。紡いでいく貴方の声は私に不思議な魔法をかけていく。
言葉なんてあてにしてはいけないのに――信じたくなる。


「僕は、君を好きになりたい。君を好きになるチャンスをくれ…この気持ちは迷惑かな?」


優しく、力強さを伝えてくれる手からの温もりが、はらえなくなる。
見つめる不安そうな紺碧の瞳はただ、真っ直ぐで――とても綺麗だった。



――ナオトお兄ちゃん。今私、好きな人がいます。『カレン・シュタットフェルト』で、恋をしてしまいました。

こんなにも私を想ってくれる彼は『紅月カレン』も、愛してくれるのかしら――?


ねぇ、お兄ちゃん。私…どうしたらいいのかな――




imp
(あぁっ、もう!)(こんなの『私』らしくもない!!)


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ルルーシュ追悼...?
ライ独白。神根島遺跡にて。








ふいに、目が醒めた。


いや、現実には醒めてなんていない。周囲に色はなく幻影を見せるかのように微睡みうつろぎ、そうまるで陽炎のように揺らぐ、変わらない光景。
上下左右、ましてや重力などなく僕はその中で流されるように漂っているのみ。

遺跡の中は酷く殺風景で非常識なんだな、なんて眠りについた時には思ったものだけど、それはどれぐらい前だっただろう。
遠き昔の気がするし、刹那の刻だったとも思う。
此処に感覚など鈍り、冷たさも熱さも痛みもなくなっていく。

なのに今急に心が熱くなった。それとは対称に身体は凍えそうなほど冷えていく。こんな感覚、今までに感じたことはない。


『 ラ イ ……―― 』
「……――」


声だ。これも今まで聞こえたことはなかった――しかし知っている。僕は覚えてる――僕のことを忘れているはずの君の声。
答える僕の言葉も声として音となり響くことはなく――それでも呼んだ愛しい君の名。

もう戻らない日々。戻れない関係。後悔はないのに。どうしたんだろう、凍えていく。

それに対して胸は熱さを灯したまま。
どうしたんだろう。熱い…、熱い…――?

いや、痛いんだ、苦しいんだ。
締め付けられるように、胸が痛む。

色が霞んでいるのに、鮮明に浮かび上がってきた。
あの頃の痛み、怖さ、辛さ、悲しみ、……君の、笑顔。

浮かび上がって、消えていく。


――涙だ。頬を伝う、熱くも冴えていくモノ。何故、僕は泣いている?

僕の記憶のなか、君の変わらない微笑みを思い出せるのに。

忘れますように――そうギアスを使ってもう幾月経ったのか。
凍りついた時間から――どれぐらい経ったのか。


きっともうどんなに手を伸ばそうとしても、届きはしないのだろう。


今、ふと思った。
苦しさが僕を惑わそうとしているのか。いったい、本当にどうしたっていうんだ。

僕は同じ過ち繰り返さないために後戻りなんてできるはずなく、あの頃には帰ることも叶わず死ぬことすら許されないから、眠りについたのに。


僕の中で君が溢れては沈んでいく。

そのたびに君に会いたいと再び願うよりも強く――『 消えたい 』と思うなんて。



――もう眠ろう。
涙がこぼれても、微睡みうつろぎ、揺らぐだけだ。



大丈夫。大切な彼はまだ、生きているのだから。


今頃、どうしているのだろう。


きっと最愛の妹と笑い合い、あの意地悪い魔女につき合いながらも幸せに、
大切な親友と手を取り助け合いながら共に歩んで、あの数々の人の良い皆に囲まれて生きていてくれているだろう。

きっと、……――きっと。


あの頃には戻れない、けど。
もう僕が皆を傷つけることも手を下すこともない。
それが一番だ。
皆か、彼が――ルルーシュが僕を忘れても幸せに生きてくれるなら。




――嗚呼、まだ、胸は焦がれるように痛み続ける。





The truth deleted
(この胸の痛みの真実を知ろうとしないのは)(本当は分かっているからだ)(そう、君はもう――)


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セリフのみ。超短文。
ばかっぽう。オチなし。








「ルルーシュ」
「なんだ、ライ」
「ナナリーが好きだな」
「当たり前だろう、愛してる」
「スザクが大切だな」
「まぁ、親友だからな」
「ロロが可愛いな」
「俺の弟だしな」
「ユフィが初恋の相手だな」
「…ま、まぁな」
「……」
「…その問いの意味はなんだ?」
「…ルルーシュは…ほわほわくるくるした髪の方が好みなんだな…」
「え?」




(なら、僕も髪型変えようかなぁ…<しゅん)(ライ…!馬鹿だな、お前だって大好きに決まってるだろう!<ぎゅ)



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ギアス篇ナナリーED後。









「――……」
「…ナナリー…!」
「……お兄、様……?」
「咲世子さんから連絡が入って…大丈夫かい?」


ナナリーの閉じられたまま開かれることはない双眼の瞼は赤く腫れていた。
突然、本人も分からないうちに泣き始めそのまま眠ってしまった、と咲世子から知らされたルルーシュは学園祭の準備を一時放って帰宅したのだった。


「…ごめんなさい」
「謝ることはないよ…でも一体どうしたんだい?」
「……」


ナナリーは一度口をきゅっと閉ざし、眉尻を下げた。また泣きだしそうな表情で唇を開く。
空気の入れ替えに開けた窓から少し冷めた風が吹き、カーテンをほのかに揺らしていた。


「折り紙に触れましたら…胸が熱く…切なくなりました」


ルルーシュは黙ってナナリーの手を包む。彼女は続けた。


「そうして、涙が止まらなくなって…声が…」
「『声』?」
「…不思議な声…聞こえないんです。頭の中にぼんやりと、すごく繊細だけど力強い綺麗な筆跡の文字が浮かぶだけ……」

『泣かないで、ナナリー』、とその筆跡が優しく囁くらしい。聞こえない――なのにそれは声だと断言する。


「すると…温もりのない優しい指先が私の髪をゆっくりと梳きました。この目には何も映るはずのないのに、目の前には顔も知らない、誰かが笑いかけていました」


物語を綴るかのように、彼女は謡う――涙が一筋、流れた。
カーテンが大きく揺らぐ。折り紙がかさり、と微かにざわめいた。


「その笑顔に、私は何故だかホッとして――そして途方もなく悲しくなりました。涙が止まらなくなり、その人は指を流しながらずっと繰り返すんです。『泣かないで』と」


どうしましょう、お兄様――そう呟きながらボロボロと泣き出す彼女に濡らしたタオルで涙を優しく拭う。ルルーシュにもその動揺は伝わり美眉を乱した。


「ナナリー……」
「私、は…どうしたのでしょう…変なんです、おかしいのです。私は…もしかしたら大切な何かを忘れ――……ッ!」


ナナリーが言葉を詰まらせた――眉を寄せ、小さな悲鳴を上げる。


「ナナリー?!」
「あ、あぁ、……――!!」


声にならない絶叫。頭を抱えナナリーが身を震わせた。ルルーシュもただ事でない妹の肩を抱く。落ち着かせるように、とそれしか思いつかない無力な自分を呪うように表情は乱れる。


「ナナリーッ……!」
「いやっ――……ダメ…!」


何がこの子にあった?必死に頭を巡らすルルーシュは腕に力を込める。
いったい何が……ッ!?

そこで、自分にも脳を揺さぶられたように――吐き気、目眩、そして一瞬のブラックアウト。


――醒めればそこは、変わらないナナリーの自室。
彼女はベッドに沈んでなどはいなく、いつもの車椅子に座っていた。そしてルルーシュもその横に立つ。しかし、いつもの光景に『異物』。


誰だか知らない――『人』。


何故か目の前にある姿を捉えらることはできるのに、その姿、形を『認識できない』――そんな事態に、ルルーシュは目を見張った。

――男なのか女なのか、若いか年配なのか、背は高いのか低いか、分からない。ただ薄く笑っている…と思えた。認識ができないのに、ただそう漠然と頭に刻まれる微笑。


『人』が膝をつき、ナナリーに手を伸ばしていた。優しい動作で彼女の長い髪が流れていく。
胸が温かかった――そして引き裂かれるように、痛んだ。


『ナナリー、泣かないで』


人の唇は動かない。ただ笑う。
ナナリーが表現した通りの文字に諭されているような、不思議な光景だった。


『もう、さよならだ』


その言葉と意志が伝わり、ナナリーとルルーシュはハッとして『人』を見上げた。


「待って、下さい…!!」

『さよなら』

『忘れて、忘れるんだ。ナナリー』


「いや、いやぁっ!!」


ナナリーが腕を伸ばすし『人』に触れようともがくも、まるで霧を掴むようにすり抜けていた。ルルーシュもそれを見ていながら、同じように腕を伸ばして…掴むことのできないの『人』に叫んだ。


「待て、…待てッ!!…待てよぉッ!!」


その腕は空を掻くだけで『人』に届きはしない。しかし言葉は違ったのか――『人』は笑顔をナナリーに…ルルーシュに向け…涙を一滴、零す。


「 ありがとう 」


初めて聞くのに、何故か酷く懐かしい声色を最後に――二人の意識は混濁した。







二人は抱き合っていた――まるで互いを慰めあうように。


「ん……?」


ルルーシュは瞼をゆっくりと持ち上げる。ミルクティーのように淡い色の髪が目に映った。


「…お兄様」
「ナナリー…」
「どう…したんでしたっけ?」
「どう、…とは?」


ゆっくり首を傾げる妹の姿に、過去に遡り脳をゆっくり回転させる。


「…ナナリーが、倒れたと連絡が…」
「?…私は元気ですよ?」
「…そう、だな…」


ルルーシュは気を取り直して、はにかむ。妹のナナリーにしか向けない特別な笑顔。


「おかしいな。学園祭が思ったより堪えたのかな?」
「まぁ…無理はなさらないでくださいね?」
「わかってる。大丈夫だよ、ナナリー」


そうして、また笑い合う。
二人には先ほどまで見ていたヴィジョンすらも『見ていなかった』ような――忘れてしまったような、振る舞い。


窓から風が抜け、桜を象った折り紙が――知らぬ間に夜闇に旅立っていったが、


この兄妹は、それはそれは幸せそうに――笑っていた。




サクラ散ル
(もう思い出すこともないでしょう)(それで彼女は微笑める)


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ルル(ゼロ)ライ+(or←)C.C.
スザク、ユフィの騎士就任後。








「スザクがユーフェミアの騎士となった…くそっ、スザクに…スザクには、ナナリーの騎士にと…!」
「さっきから何を喚いている? ピザが不味くなるだろう」


ゼロとしての仮面を脱ぎ、素顔と激高する怒りを露わにするルルーシュへ、ピザを片手にソファーに身を沈めるC.C.の声は若干、不快そうだったがピザを頬張る姿は喜々として笑顔。


「うるさい!」
「うるさいのはお前だ。ナナリーの騎士なら適役がいるじゃないか。人柄に加え、あの身体能力の高さは枢木スザクにも引けをとらない…ナナリー本人も懐いているのが一人」


常に見せる魔女の小馬鹿にした笑みすら今は気に障るもルルーシュは一瞬、瞳を揺らし――当てはまる一人の人物を思い出すと、勢いよく立ち上がって更に怒りにまみれた表情で叫んだ。


「ダメだ!絶対に!!」
「ほう。それは何故だ?」


また更に笑みを深くする魔女の姿――否定すると読まれていた事に唇を噛む。


「それ、は…ライは…俺の、…ゼロの騎士だからだ」
「だから最愛の妹にすら渡したくない、と」
「っ……!」


言葉が詰まり悔しくも即座に否定できない自分が忌々しく拳を強く握りしめた。


「独占欲丸出しだな…見苦しいこの上ないぞ?」
「黙れっ…!」


声を荒げるもノックの音が響き、中断される。聞こえてきた声は話に上がっていた彼、ライのものだった。
それに動揺を見せてしまうルルーシュとは対照的にC.C.はにんまりと企む笑顔のままだったのが更に気に触れていく。
しかし今はライを待たせるわけにもいかない。仮面を被り、入室を許可した。


「ゼロ、物資供給の件で少し……?」


さすがにこの部屋の空気に気がついたか、二人を交互に目配せすると困った顔で首を傾げる。


「取り込み中、だったかな?」
「『お前を手放すぐらいなら死んでやる』とぐずっていただけだ。気にするな」
「な…!? C.C.ッ!」


答えたのはC.C.であり、ルルーシュは仮面の下の素顔を焦りに満たしそして声に怒りを乗せた。ライは眉を曇らせ、ゼロの前に立つ。


「…何かの交渉か?」
「気にするな! …ただの魔女の戯言だ…!」


声にまで焦りと怒り、それらが混ざって吐き出されてしまうことがルルーシュを更に苛立たせた。

ゼロらしくない冷静さを無くした声色にライは何か察したのか…顔を引き締め対峙する――
青い瞳に見据えられ何もかも見透かしているような感覚にルルーシュは少したじろいだのは彼には分からないだろう。


「僕で代わりになるなら、喜んで使われるよ」


突然のその言葉にルルーシュはもちろん、C.C.までもが目を見開いた。


「僕はゼロ、君の騎士……なんておこがましいか。……駒、なんだからね」
「(……キミという奴は…)」


言い改めるあたりが彼らしい――なにより信頼を置いてくれる彼の姿に心の怒りが優しく溶けていく感覚――仮面に隠しながら苦笑した。


「…C.C.、私はライを『ヤツの代わり』にするつもりは毛頭ない」


次に余裕を取り戻したルルーシュは仮面の下、勝ち誇った笑みを浮かべる。
C.C.はピザを含むにも関わらず面白くないと言わんばかりの態度で――しかし、笑う。


「よかったな、そこまで想われてるなんて。羨ましい限りだ」
「何とでも好きに茶化せ。この魔女が」


ルルーシュには皮肉に感じたか――そのままライに視線を移し、書類に目を通し始めた。ライもゼロの元の気配になったのにホッとし、要件の説明をする。


「…茶化してなど、いないさ」




れず。
(魔女だけが吐く、憂い帯びた溜息)(それは嫉妬か、羨望か)


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キャンセラー受けた後。疑心暗鬼中シャーリー。独白。










うそ、うそ、みんな、うそ。

一年前のアルバムを開く。みんな笑いあってる。
私がいて、会長がいて、ニーナがいて、リヴァルがいて、カレンがいて、スザクがいて、ルルがいて。でもそこにいるはずのナナちゃんの写真はなくて。


でも、もう一人……いない。


「なんで、いないの……?」


何処にもいない。確かに短い間であったけど、生徒会メンバーだったのに。友達だったのに。


なんで忘れてたんだろう。
なんで思い出したんだろう。


一緒に選んだ赤い日記。ウエディングドレスのショーケース前で話した幼い日のユメ。日に日に笑顔を見せてくれるようになった、君。


「ラ……イ」


お願い、教えて。
君は何でいないの?
今、何処にいるの?
みんな何故君のこと、覚えていないの?




それとも、アナタという存在もなのですか。


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