「なんて言うかさ……ランペルージって愛想ないよなぁ」
クラス内にてある男子がポツリと言った一言。
「引っ込み思案っていってあげなさいよ……」
「時々、凄い目つきで睨んでくる時とかあんじゃん。マジあれ怖ぇぜ」
「わかるわかる、なんかすげぇもん。殺気漲るっての?」
「ほんとぉー?」
「でもちょっと変わった子ってのは確かだよね」
ひそひそと男女四人は話題にするクラスメート、ロロの席が離れているのをいいことに噂し出す。
彼は前から二列目の窓側。彼らは教室奥の窓側なのでまず大きな声でしゃべらなければ聞こえないだろう。
まして本人は、呆けた感じで窓の外を眺めている。
「友達少ないし……」
「少ないってよりいないだろ。他クラスにだって」
「生徒会出入りしてるし、上級生とかに目つけられてそう」
「孤立無援、みたいな」
「でもその生徒会の人たちは、いい人じゃない」
「生徒会の先輩たちも四苦八苦してたりすんじゃねぇかな、あれは」
「お兄さんのランペルージ先輩がいるのよ?どうにかなってるって」
「――……あ、噂をすれば」
女子が指差すほう――校庭に、移動なのかロロの兄であるルルーシュが歩いていた。そこで気づいたロロは、急いで窓を開けて少し身を乗り出す。
そこでルルーシュも気がついた。柔らかく微笑み、気品ある動作で軽く手を振る。
「きゃ。やっぱりルルーシュ先輩カッコいいッ!!」
見ていた女子が黄色い声を上げる。窓際にいる者たちがその声につられるようにざわめく。
「当たり前でしょ!あの先輩だも……の……」
一人、言葉を詰まらせた。話していた一人がその目線を追うと、その先にはロロが頬を薄く染め、満面の笑みでささやかに振かえしている。
まるで恋する少女のように恥じらいながらも愛おしそうに目を細める可愛らしいその姿に、見た者は言葉を飲み、頬を赤らめた。
クラスメートたちは一人、また一人、男女問わずその魅力ある愛らしい姿に釘付けになっていく。
その瞬間を反射的にカメラに納めた報道部の写真が流れたことにより、徐々に派生しはじめていった『ロロ親衛隊』の存在に、彼本人はまったく気がついていない。
新たなる一面を発見。
(どうした、ロロ)(兄さん……いや最近無駄に視線を感じて……)
SE2により、人気があると確立(?)されたので。思わず。
ロロ親衛隊の掟・基本第一項目は『影から見守ること』(=抜け駆けすんじゃねぇよゴラァ)とあるから、『ラブ アタック』で帽子狙われてなかったのです!!(不服だった。追われないのが)。
たぶん、生徒会のなかでの写真はリヴァルが小遣い稼ぎに流しているに違いない。