「アウラ、お待たせ」
「来てくれたんですね……!」
「『秘密の部屋に』ってメールくれただろ? もちろんだよ……で、どうかした?」
「……いえ、その」
「ん?」
「なにか用事がなければ、ダメ? ……ただ私、カイトとお話したくて」
「……そうなんだ。全然ダメじゃないよ」
「よかった!」
「でもぼくでいいの? アウラは……」
「ちょっと待った!」
「!」
「あ、クビア」
「『あ、クビア』じゃないよカイトなに了承してんの、今日は僕と一緒に欲しいアイテムがあるエリアに行くって約束したじゃないか!
お前もお前だ! カイトが僕と約束してることわかってて呼び出しただろ!」
「(ぎくっ)そ、そんなこと知らないわ。ひ、被害妄想もいいところです。突然現れて……あ、後つけてるんじゃないの!? ストーカーみたいっ!」
「(ぐふっ)ば、バカじゃないの?! 僕はカイトが此処に転送された形跡があったから来ただけで……ふ、普段だったら近づくのだって嫌気がさす!!」
「ッ! と、とにかくカイトと私はお話するの! 今決まったんだから! あなたみたいな人お呼びじゃない!さっさと出てって!」
「ッ! 先約は僕! カイトと僕でエリア行くのは決まってたことだ! だからお前こそすっこんでろ! はやく消えちゃえ!」
「嫌! ふたりでなんて絶対、絶対っ、行かせないんだから!!」
「こっちだって、ふたりっきりでなんてしゃべらせるかっての!!」
「……ふたりとも」
「カイト、私とお話ですよね!?」
「カイト、僕とダンジョンだよね!?」
「…………うん、じゃ、エリアに三人で行こうか。アイテム見つけに行って、そこでいろいろ話そう」
「「え?」」
「ダメ?」
「…………か、カイトがそう言うなら、そ、その、クビアが一緒でもいいです……」
「…………か、カイトがそう言うなら、べ、別に、アウラが一緒にいてもいいよ……」
「(ふたりとも素直じゃないなぁ)」
素直になれない少年少女
お互いカイトに嫉妬するんだけどふたりともカイト大好きだからこんなことに。
いちいち巻き込まれるカイトは苦笑、だけどつき合う。そんな関係。
……いっこうにアウラの口調が定まらない。XXXX?それとも無印メール?どっちを参考にすれば……。