腕から全身にかけて激痛が走る。DDによる侵蝕。
彼をかばった代償。
戦闘終了。
駆け寄ってくる彼。歪んだ必死な顔。
ぼくは笑う。
「大丈夫だよ」
「本当……か?」
「うん」
「……」
「……昔はもっとDDしないといけない状況もあったし本当に大丈夫だよ」
一人でダンジョン行かされたり、ウイルスバグだらけの地下とか行ったり。……なんて今じゃ笑いごとで済ませられるけど、あの頃は必死だったな。本当に。
その頃に比べればこんな
「……」
抱き寄せられ、ハセヲの胸にうずまる。心地いいから抵抗なんてしない。
「……絶対、無理するなよ。俺には頼れ……」
「……ハセヲは優しいね」
蝕まれていく身体。それはリアルに影響しても所詮データの集合体でしかない。
でも君と出逢う事のできたのはこの
守りたい――七年前、仲間たちに思った以上に。
ぼくは君の為に傷つくならこんな身体、ズタズタに引き裂かれたって構わない、なんて思うんだから。
……そんなことすれば最後に傷つくのはハセヲで。もしぼくが壊れたら、きっと君を傷つける。わかってるけど。
自己犠牲。
あぁ、やっぱり……大切なものはいつも
世界で見つけた大切なもの
(苦しみも幸せも愛する人も、此処ですべて知って、感じた)