NOVEL  >>  Long story  >>  蒼と赫の邂逅
蒼と赫の邂逅
撃ち殺せ
更新:2007/01/06
修正:2009/07/20

「は、は……ははは……ハハハハ……ッ」

 勝ったんだ……俺は……三爪痕に……っ! 三爪痕をキルした。ずっとずっと――無我夢中に撃ち続けた。現実リアルだったら自身は血で滴っていただろう、永く、ずっと。……もっと喜べよ。アレを求め、見つけ、そして殺せたんだから……!!嬉しさのあまり、気が狂ったか? 笑いが止まらない。でもひどく引きつるような渇いた、笑いそれ
 そうだ……志乃は、志乃は帰ってきたかな?帰ってきたはずだ。志乃、彼女のために、俺は、志乃、がんばったよ、志乃、褒めて、くれるか? また、変わらない微笑みを、くれるか、……シノ、……シノ……しの、しの、おれは、かいと、を、……かい、? ……か…い……と…?

『かいと』って……だれだ。

 ……わからない、……わからない……わからない。わからないわからないわからないわからない――……わかりたく、ない?

 目の前に光が落ちた。三爪痕を守るよう立ちふさがるのは蒼海のオルカ、蒼天のバルムンク――。

「ハッ、ハハッ……んだよ、お前らも来たのかよ。……今、なんだか胸くそ悪ぃんだ。お前らもそいつ共々……撃ち殺してやるぜぇええぇぇッ!!」

 涙しながらも狂気に笑いがあふれる。

 銃を構えた。殺したい。壊したい。全てを。

 何もかも放棄して、紅に塗り替えていく……――身体も、思考も、記憶も、ハセヲも、……リアルも。







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